和田真一・近況報告
みなさん、ご無沙汰しております。
平成4年化学科(学部)卒の和田真一です。
昨年9月に博士(理学)号を修得した後、つくば市の通産省 工業技術院 産業技術融合
領域研究所のポスドクを経て、本年4月より広島大学 理学部 物理科学科の助手として採
用していただくこととなり、東広島市に移ってまいりました。学位修得を池田先生に御
報告したところ、激励の品を頂くとともに、昨年の学会創立記念日の聖教新聞に記事を
掲載して頂けました。またその直後の先生がゴルバチョフ元ソ連大統領を関西学園にお
迎えしての会合にも出席させて頂くことが出来、大きな決意と喜びを持って出発するこ
とが出来ました。
東京を離れてから8ヶ月経ちましたが、こちらではなかなか忙しい毎日を送っています
。東広島は田舎ですので、あっちこっちにこちらから出向くことが多いです。東京にも
ちょくちょく行く機会があり、その度に「ああ、田舎に住んじゃったんだなぁ。」と実
感してしまいます。じゃあなぜ広島なの、ということも含めて現在の状況を記させてい
ただきますと、広島大学ではシンクロトロン放射光という施設が新たに設置されました
。このシンクロトロン放射光というのは、これまで共同利用施設(つくばの高エネルギ
ー加速器研究機構や岡崎の分子科学研究所など)で主に利用されていたもので、学内施
設としては国立大学では初めての設置となります。従って中に所属する私たちにとって
は非常に有利に研究を進めることができる環境にあります。このシンクロトロン放射光
とは、光速近くまで加速された電子から放出される光のことで、赤外線からX線まで幅
広い波長領域の光を得ることが出来ます。この放射光を利用し、私は、表面上や気体中
の分子の光化学反応の研究に携わっています。発展が非常に著しく、学際的な領域です
ので、今後工業プロセスや医学にも大きな貢献が期待されている分野でもあります。私
自身、これまでの研究分野とは異なるため、一から勉強を始める決意で広島に赴任致し
ました。まだほんの数ヶ月間を経たにすぎませんが、無我夢中の間に時が過ぎていった
感じがします。新しい環境、新しい研究分野、そして大学教官としての学生との対応。
全てにおいて、自分自身の真価が問われている毎日です。まさに毎日が戦いであり、勝
負です。それだけに「昨日の自分に今日の自分は勝てたのか」、「今日より明日へ」と
の御指導が痛感されます。また「自分に適した将来・研究分野に進ませて頂きたい」と
の一点は絶えず御本尊にお誓いさせて頂いてきました。信心の原点を築かせてもらった
十代、自身の人間性と研究という仕事を築いた二十代、そしてこの三十代でいよいよ自
身の進むべき道・目標を築き上げる時だと確信しています。妙法を自己の中に確立した
一流の科学者に、自身を磨いていく決意です。
今年8月上旬の話を一つ。赴任して早々に初海外出張、サンフランシスコに行く機会
がありました。出張ですので一応仕事です。時間的には仕事と観光が半々でしたが、、
、サンフランシスコという所は非常にすばらしい町で、綺麗だし、治安は良いし、しゃ
れてるしで、住み心地がとっても良いお気に入りの町でした。ちょうど栗原さん(平成
5年・修士卒・非常に元気に活躍されていました)が現在シリコンバレーにいるので連絡
を取ったところ、大リーグのサンフランシスコ・ジャイアンツvs.アトランタ・ブレーブス
戦のチケットがあるよということで観戦しに行ってきました。これが実はSGIシリコンバ
レーの組織の地域友好イベントで、試合前に球場の駐車場でバーベキュー大会を行い、
その後皆で試合観戦という催しでした。(アメリカでは結構試合前にバーベキューなん
かよくするみたいですね。駐車場のあちこちでやってました。)大リーグは日本のプロ
野球と違って、イニングごとの合間の時間に電光掲示板を使ってゲームやクイズ、宣伝
なんかを行います。その電光掲示板に、なんと「平和の団体 SGI仏教とをGiantsは歓迎
します」と、でかでかと映し出されました。さすがにアンチ巨人の私も、この日だけは
一生に一度のジャイアンツの応援をしてしまいました。
最後になりますが、田舎、田舎といってもここ東広島(西条)もなかなか良い町です
。何が良いって、お酒がおいしいところです。中国地方に来られる機会がありましたら
、是非御連絡を頂ければと思います。また東京で皆さんとお会いできる日を楽しみにし
て、拙い報告を終わりにさせて頂きます。